【解説】国家プロジェクト「洋上風力発電の低コスト化」開発事業者

カーボンニュートラル
考える人
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「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」実施体制が決まったと聞いたよ。

ニュー太郎
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2022年1月21日に実施体制の決定が発表されています。

このプロジェクトには多くの企業が関わっています。

この記事を読むことで、

 ✓ 洋上風力発電の低コスト化プロジェクトの全体像がわかる

 ✓ 洋上風力発電の低コスト化への取り組み概要と開発事業者がわかる


洋上風力発電の低コスト化プロジェクトの全体像

洋上風力発電の設置場所と決定事業者

再エネ海域利用法に基づき、現時点(2022年1月)では、4つの促進区域(長崎、秋田2件、千葉)で実施事業者が決定済です。

詳細はこちらの記事で紹介しています。

ニュー太郎
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長崎は、戸田建設株式会社、ENEOS株式会社、大阪瓦斯株式会社、関西電力株式会社、株式会社INPEX、中部電力株式会社 に決定、

秋田2件と千葉は、 三菱商事エナジーソリューションズ株式会社、三菱商事株式会社、株式会社シーテック、(1/3件のみ株式会社ウェンティ・ジャパン)に決定しています。


グリーンイノベーション基金事業

このプロジェクトは、グリーンイノベーション基金事業として実施されます。

グリーンイノベーション基金については、過去の記事で解説しています。

ニュー太郎
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グリーンイノベーション基金事業とは、「2050年カーボンニュートラル」を達成するため、企業等に対して、10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援するというものです。


洋上風力発電の低コスト化プロジェクトの位置づけ

ニュー太郎
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洋上風力発電(本事業)は、グリーンイノベーション基金事業14分野の中の1つです。


洋上風力発電の低コスト化プロジェクトの背景と目的

背景

 欧州と異なり、遠浅の海域の少ない日本で「2040年までに3000万~4500万kWの案件を形成する」という高い目標を達成するため、特に、深い海域でも導入余地が大きい浮体式のコストが、技術開発や量産化を通じて、今後大幅に低減することが必要である。

目的

 これまで取り組んできた実証事業等による知見も踏まえ、浮体式を中心とした洋上風力発電の早期のコスト低減を行い、導入拡大を図る。


洋上風力発電の低コスト化プロジェクトの開発フェーズ

ニュー太郎
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実施内容はフェーズ1とフェーズ2に分けています。

フェーズ1は、日本の強みを活かせる要素技術の開発として、4事業あります。

ニュー太郎
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フェーズ2は、システム全体として関連技術を統合した実証を行います。

ニュー太郎
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フェーズ1の開発事業者が決定しましたので、今回はフェーズ1について解説していきます。


 


洋上風力発電の低コスト化への取り組み概要と開発事業者

ニュー太郎
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ここからが決定した内容と開発事業者を紹介します。

フェーズ1-➀ 次世代風車技術開発事業

事業の目標

2030年までに、着床式洋上風力発電の発電コストが8~9円/kWhを見通せる技術

又は、浮体式洋上風力を国際競争力のあるコスト水準で商用化する技術を確立

洋上風力の種類(着床式と浮体式)

水深の深いエリアでは浮体式技術が必要です。

事業の概要

グローバルメーカーとの協働を視野に入れつつ、日本・アジア市場向けの洋上風車要素技術(次世代発電機、台風・落雷対応、低風速域向けブレード等)を開発し、設備利用率の向上及び大量生産技術の確立によりコストを低減する。

事業規模など
事業期間

2021年度から原則最大5年間

採択テーマと実施事業先

フェーズ1-② 浮体式基礎製造・設置低コスト化技術開発事業

事業の目標

2030年までに、浮体式洋上風力を国際競争力のあるコスト水準で商用化する技術を確立

事業の概要

造船技術や建設インフラ等を活用しながら各種浮体の最適化、大量生産技術を確立し、先進的な浮体・係留システムを世界に先駆けて開発する。

事業規模など
事業期間

2021年度から原則最大3年間

採択テーマと実施事業先

フェーズ1-③ 洋上風力関連電気システム技術開発事業術開発事業

事業の目標

2030 年までに、着床式洋上風力発電の発電コストが8~9円/kWhを見通せる技術

又は、浮体式洋上風力を国際競争力のあるコスト水準で商用化する技術を確立

事業の概要

台風等の厳しい気象条件やうねり等の海象がある中で、浮体の挙動によるケーブルの曲げや捻れに耐えうる強度や、浮体式変換設備の揺れに対する制御技術、ウィンドファームの大規模化を見据えた、ダイナミックケーブル等の高電圧化や高耐久性・低コスト化の技術開発を行う。

また、大規模浮体式洋上ウィンドファームに向けた浮体式洋上変電所技術を確立する。

事業規模など
事業期間

2021年度から原則最大3年間

採択テーマと実施事業先

フェーズ1-④ 洋上風力運転保守高度化事業

事業の目標

2030 年までに、着床式洋上風力発電の発電コストが8~9円/kWhを見通せる技術

又は、浮体式洋上風力を国際競争力のあるコスト水準で商用化する技術を確立

事業の概要

台風、落雷、うねりなど日本、アジア市場特有の事象に対応するため、陸上風力でのスマートメンテナンス技術や落雷対策技術を活用し、先進的な運転保守技術の開発を行う。

運転中のデータを集積、分析・管理するプラットフォームの構築や人員等の輸送ソリューションを視野に入れるものとする。

事業規模など
事業期間

2021年度から原則最大3年間

採択テーマと実施事業先

まとめ

全体スケジュールはこちらのようになっています。

 ✓ 「洋上風力発電の低コスト化」は、

   ・グリーンイノベーション基金事業として予算;1195億円(フェーズ1;345億円、フェーズ2;850億円)で開発に取り組む

    現時点(2022年1月)で、フェーズ1の開発事業者は決定済。


 ✓ 洋上風力発電の低コスト化へは、

   ・フェーズ1-① 次世代風車技術開発事業

    フェーズ1-② 浮体式基礎製造・設置低コスト化技術開発事業

    フェーズ1-③ 洋上風力関連電気システム技術開発事業

    フェーズ1-④ 洋上風力運転保守高度化事業

    に取り組む。

   2030 年までに、着床式洋上風力発電の発電コストが8~9円/kWhを見通せる技術

    又は、浮体式洋上風力を国際競争力のあるコスト水準で商用化する技術を確立

    が事業目標。

   ・フェーズ1-①は、2021年度から原則最大5年間

    フェーズ1-②③④は、 2021年度から原則最大3年間

    のスケジュールで実施。

ニュー太郎
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欧州では洋上風力発電の普及が拡大しており、発電が低コストになっています。

低コスト化に向けた技術開発を進め、国際競争力をつけることは非常に重要です。


「洋上風力発電の低コスト化」プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画(案)の概要

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/green_power/pdf/002_05_00.pdf

グリーンイノベーション基金事業/ 洋上風力発電の低コスト化プロジェクト 公募説明会 説明資料

https://www.nedo.go.jp/content/100938386.pdf

「グリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化」プロジェクトに係る実施体制の決定について

https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100336.html

グリーンイノベーション基金事業、「洋上風力発電の低コスト化」に着手

https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101505.html

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