ニュー太郎
今回は「カーボンニュートラルコンビナート」に関する内容を
わかりやすく解説します。
その第1弾であり、全体的なことを見ていきます。
2050年カーボンニュートラルに向けて、一企業単独での検討だけでなく、関係する企業群として考えることが必要です。
企業群としてコンビナートでは、既に設備の共有化等で効率的な生産を行っています。
但し、コンビナートは温室効果ガスの大量消費拠点でもあります。
この既存のコンビナートの地域資産を有効活用しつつ、脱炭素社会への適応を行っていく必要があります。
産業の新陳代謝/新たな価値創造の姿勢で臨むことが重要であり、”選択”と”集中”というのはよく言われることではありますが、どこの、何に投資をする(コストをかけるか)の判断が必要です。
今回はそんなカーボンニュートラルコンビナートの内容を解説します。
まだまだこれから検討を進めていく部分が多いので、カーボンニュートラルコンビナートの動向をいち早く学ぶことは、今後伸びてくる企業(メーカー)を予測することに繋がります。
日本の戦略を含めて学んでいきましょう!
この記事を読むことで、
- カーボンニュートラルコンビナートの背景と必要性 がわかる
- カーボンニュートラルコンビナートが目指す姿 がわかる
- カーボンニュートラルコンビナートが果たすべき役割 がわかる
カーボンニュートラルコンビナートの背景と必要性
ニュー太郎
まずはカーボンニュートラルコンビナートについて、背景から解説します。
コンビナートでカーボンニュートラルを目指す背景
ニュー太郎
コンビナートは、
- 設備の共有化等により効率的な生産を実施
- 海運による搬入が便利な海沿いにある
- 温室効果ガスの大量排出拠点である
背景
- コンビナートは、石油精製、化学、鉄鋼、発電などの多様な産業が、設備の共有等を通じた連携を行いながら効率的な生産活動を行う集合体のことです。地域の中核的な産業集積・経済活動拠点として発展してきました。
- コンビナートの場所として主要なものは、海運による原材料の搬入の便利さと埋め立てによる用地取得の容易さから、臨海部に立地しています。
- 下記の図は、製品出荷額を基に推計した 2018 年時点での製造業からの CO2排出量を示したものです。コンビナートを構成する、石油精製、化学、鉄鋼、発電などの産業は温室効果ガス多量排出産業でもあり、温室効果ガスの日本における一大排出拠点になっています。
コンビナートでカーボンニュートラルを目指す必要性
ニュー太郎
温室効果ガス排出量が多いことのみを理由にしてコンビナートの既存設備等をスクラップすることは社会的損失が大きく、既存のコンビナートの地域資産を有効活用しつつ、脱炭素社会への適応を行っていく必要があります。
必要性
- 日本には、全国で主要なコンビナートが 9 か所あり、コンビナート以外にも臨海部に石油精製、化学、鉄鋼、発電などの重厚長大産業が集積しています。
- 多くのコンビナートが立地している太平洋ベルト地域は、日本の工業製品生産額の 2/3 を占めるといわれており、地域の雇用の中心となっています。
- 太平洋ベルト以外の地域においても、コンビナートには港湾施設、鉄道施設、道路、発電所・高圧送電線、LNG 基地・ガスパイプライン網など、多くの産業基盤が既に整備されています。
- 技術者をはじめとする産業人材の集積も見られます。
- これらの地域資産は、脱炭素社会においても引き続き地域経済や地域社会にとって必要不可欠であり、温室効果ガス排出量が多いことのみを理由にしてスクラップすることは、社会的損失が大きいと考えざるを得ません。
- 将来にわたり社会、経済、環境のバランスの良い社会経済開発を目指す持続可能な開発の観点からも、既存のコンビナートの地域資産を有効活用しつつ、脱炭素社会への適応を行っていく必要があります。
カーボンニュートラルコンビナートが目指す姿
ニュー太郎
カーボンニュートラルコンビナートを目指す意義
ニュー太郎
産業の新陳代謝/新たな価値創造の姿勢で臨むことが重要となります。
⇒ コストをどこにかけていくかという判断が必要になります。
意義
- 2050年にカーボンニュートラル社会を実現するためには、エネルギー/マテリアルの需給をはじめとして、社会構造を大きく変える必要があります。
- 構造転換の起爆剤/戦略拠点として、コンビナートが持つポテンシャルを最大限活用する必要があります。
コンビナートの特徴
✓ 日本の基幹産業が高度に融合した生産拠点である
✓ 主要需要地の周辺に立地している
✓ 地域経済と密接な関係(税収、雇用)を有している
- そのためには、“守り”(既存の産業の維持・保護)ではなく“攻め”(産業の新陳代謝/新たな価値創造)の姿勢で臨むことが重要となります。 ⇒ コストをどこにかけていくかという判断が必要になります。
カーボンニュートラルコンビナートのイメージ
ニュー太郎
コンビナートが有する集積効果や立地優位性等を活かして、
- カーボンニュートラル社会の持続的な発展
- 製造事業者等の競争力強化
- 地域経済・日本経済の活性化
を目指しています。
カーボンニュートラルコンビナートが果たすべき役割
ニュー太郎
カーボンニュートラルコンビナートの役割は、カーボンニュートラル社会の持続的な発展・経済活性化に貢献する存在となることです。
果たすべき役割
- 2050年において、コンビナート全体でのカーボンニュートラル化を実現するだけでなく、カーボンニュートラル社会において、カーボンニュートラル社会の持続的な発展、製造事業者等の競争力強化、地域経済・日本経済の活性化に貢献する存在となることが役割です。
ニュー太郎
①:脱炭素エネルギーの受入/生産/供給
②:炭素循環マテリアルの受入/生産/供給
③:脱炭素技術のテストベッド
の機能を通じて、役割を果たそうとしています。
①:脱炭素エネルギーの受入/生産/供給
脱炭素エネルギーの受入/生産/供給
- 水素・アンモニア・CO2回収等の多様な手段でエネルギーの脱炭素化をサポート
- コンビナート内の多様な業種間でのエネルギー設備の共有、共同での調達やコンビナート外への販売などにおいて集積効果の発揮
- 大量に必要となる水素・アンモニアの輸送ではカーボンニュートラルポート(CNP)と連携
- 一次産業~二次産業~三次産業のハブ
水素・アンモニアの潜在的需要地のイメージ例
効率的な水素・アンモニア供給インフラの整備について
2022年4月27日
資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 資源・燃料部
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/suiso_seisaku/pdf/003_03_00.pdf
②:炭素循環マテリアルの受入/生産/供給
炭素循環マテリアルの受入/生産/供給
- 水素やCO2の効率的な利用により、炭素循環マテリアル製造をサポート
- コンビナート内の多様な業種同士での設備共有化やマテリアルの共同利用などにおいて集積効果の発揮
- ケミカルリサイクル/バイオマスマテリアルの利活用・再利用に関するハブ(一次産業との連携)
川崎カーボンニュートラルコンビナート構想(案)について
2022年2月5日
https://www.city.kawasaki.jp/templates/pubcom/cmsfiles/contents/0000137/137116/CNKgaiyou.pdf
③:脱炭素技術のテストベッド
脱炭素技術のテストベッド
- 脱炭素化技術のテストベッドとなり事業のスタートアップ・実証・スケールアップを支援
- “立地” “土地” “設備” “人材(オペレーション・専門技術)” など、コンビナートが持つポテンシャルを組み合わせて活用することにより、新たな価値創出
- 新たな産業のインキュベーション・創出
やまなし未来創造 5. 目指す姿と実現に向けた取り組み
2021年3月8日
https://www.pref.yamanashi.jp/try_yamanashi/linear_vision/5_jitsugen.html
まとめ
ニュー太郎
コンビナートとは?
- 設備の共有化等により効率的な生産を実施
- 海運による搬入が便利な海沿いにある
- 温室効果ガスの大量排出拠点である
- コンビナートは温室効果ガス排出量が多いことがあり、そのことのみを理由にしてコンビナートの既存設備等をスクラップすることは社会的損失が大きく、既存のコンビナートの地域資産を有効活用しつつ、脱炭素社会への適応を行っていく必要があります。
- 産業の新陳代謝/新たな価値創造の姿勢で臨むことが重要となります。 ⇒ コストをどこにかけていくかという判断が必要になります。
カーボンニュートラルコンビナートが目指すこと
- カーボンニュートラル社会の持続的な発展
- 製造事業者等の競争力強化
- 地域経済・日本経済の活性化
- カーボンニュートラルコンビナートの役割は、カーボンニュートラル社会の持続的な発展・経済活性化に貢献する存在となることです。
カーボンニュートラルコンビナートの役割を果たす為にすること
①:脱炭素エネルギーの受入/生産/供給
②:炭素循環マテリアルの受入/生産/供給
③:脱炭素技術のテストベッド
カーボンニュートラルコンビナートの実現に向けた 論点整理
2022年3月
カーボンニュートラルコンビナート研究会
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_neutral_complex/pdf/20220324_2.pdf
カーボンニュートラルコンビナートの実現に向けた論点整理(概要)
2022年3月
カーボンニュートラルコンビナート研究会
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_neutral_complex/pdf/20220324_1.pdf
ニュー太郎
今後も企業連携の動向からは目が離せません!
ご覧いただき、ありがとうございました。
以上、ニュー太郎でした。
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