カーボンニュートラルにおいて、原子力の稼働は重要です。
現時点(2022年3月)の情報を共有します。
この記事を読むことで、
✓ 日本の原子力発電の状況がわかる
✓ 原子力発電における原子炉のタイプがわかる
✓ 世界の原子力発電の状況がわかる
エネルギー戦略における原子力発電の位置づけ
まずはエネルギー戦略における原子力発電の位置づけをご紹介します。
2030年度の野心的な発電電力量と電源構成を見ていきましょう。
原子力の発電電力量は、1,880~2,060億kWhとなっています。
電源構成としては20~22%であり、再エネに次ぐ重要な位置づけとなっています。
この発電量を確保するためには、どれだけの出力が必要なのかを考えます。
計算式としては、①2,060億kWh ÷ 8,760h/年 ÷ ②75% × ③100% となります。
これを計算すると、3,135万kWが必要出力となります。
日本の原子力発電の状況
日本の現状を見ていきましょう。
稼働再開している発電所の現時点(2022年3月)で10基です。
原子力規制委員会 発電所別情報
https://www.nsr.go.jp/Selection/hatudensho_betu_index.html
詳細はこちらの表をご覧ください。
一般財団法人 日本原子力産業協会 原子力発電所の運転・建設状況
https://www.jaif.or.jp/cms_admin/wp-content/uploads/2022/03/jp-npps-operation20220307.pdf
原子力発電のおける原子炉のタイプ
先ほどの表で、炉型の記載があります。
設置変更許可を得ているものとして、”BWR”
現時点で稼働済なものは、”PWR”
今後の建設号基は”ABWR”、”APWR”
となっています。
これらを見ていきましょう。
蒸気を発生させるしくみの違いによって沸騰水型炉(BWR)と加圧水型炉(PWR)の2種類に分けられます。
電気事業連合会 軽水炉のしくみ
https://www.fepc.or.jp/enterprise/hatsuden/nuclear/keisuiro/index.html
三菱重工 加圧水型原子力発電プラント
https://www.mhi.com/jp/products/energy/pressurized_water_reactor_nuclear_power_plant.html
三菱重工 三菱改良型PWRプラント
https://www.mhi.com/jp/products/energy/advanced_pressurized_water_reactor_plant.html
世界の原子力発電の状況
最後に、世界の状況を見ていきましょう。
世界の原子力発電の状況はこちらです。
日本は運転可能炉を含めると世界第4位の出力を確保しています。
運転可能炉であるカッコ内の数値は、33基、3,308万kWとなっています。
2030年度のエネルギー戦略で必要な出力である3,135万kWを上回っていることがわかります。
現状、運転中というと、10基、996万kWとなり、第9位となっています。
また、この表から中国の建設中、計画中の件数が多いことが見て取れます。
ウクライナは、世界で第8位の原子力発電保有国であり、原子力発電のシェアは54%と半数以上を原子力に頼ることになっています。
一般財団法人 日本原子力産業協会 海外の原子力
https://www.jaif.or.jp/cms_admin/wp-content/uploads/2022/03/worldnuclear202203.pdf
今回の記事内容から、
日本の原子力発電の課題は大きく2つだと思います。
1.運転可能号基の再稼働
2.40年を超過した号基の稼働延長
今後も動向をチェックしていきましょう。
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